オーガニック食品、健康効果は一般食品と変わらず=英調査
英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の研究チームが行った調査によると、オーガニック食品(有機食品)の栄養価や健康効果は、一般食品とさほど変わりがないことが分かった。調査結果の詳細が29日、学術誌「American Journal of Clinical Nutrition」に掲載された。
世界のオーガニック食品の市場規模は、2007年時点で推定480億ドル(約4兆5700億円)に上るが、同研究チームは、消費者がオーガニック食品の「健康なイメージ」に割高な値段を払っていると指摘している。
英食品基準庁の委託で行われた今回の調査は、過去50年間に発表された162の論文を系統的に分析。その結果、オーガニック食品とそうでない一般的な食品に栄養面などで大きな差は認められなかったという。
研究チームの一員アラン・ダンゴー氏は「オーガニックと通常の食品の間に栄養面でわずかな違いはあったが、公衆衛生的な妥当性は何らないと思われる」と指摘。今回の調査により、オーガニックかどうかで栄養的な優劣を裏付ける証拠はないことが示されたとしている。
一方、景気後退(リセッション)の影響で消費者が支出を抑えていることもあり、英国など一部の市場では、オーガニック食品の売り上げが落ち込んでいる。
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