断章のグリム ラプンツェル(下)を読んだ。
これは数多ある甲田氏の刊行物の中で、間違いなく私の上位ランキング1-2を争う素晴らしい作品だった。
が!
今回の「悪夢」に巻き込まれた家族が、少女とお父さんが、可哀想で可哀想で、多分読み返しは出来ないだろうと思った。
冗談ヌキで泣きながら読んだ。
それでも、場所もないし、ある程度溜まった小説は気に入っていても売ってしまうのだが、ラプンツェルだけは殿堂入り(w)コーナーへ移動させた。
二度と読む勇気がなくても手放すのは惜しい。
目の前にある異形への、恐怖。
死の恐怖。
それよりも矢張り喪失への恐怖が上回るのだと、しみじみ思った。
手を繋いで山道を歩く。
怒りと愛情で角材を振り上げた父。
正気を失っても背中に覆い被さり、奪われまいと必死で庇った娘。
そこは「騎士」に見捨てられた、「異界」。
その後の雪乃の気持ちを考えても、何だか私も悪夢を見そうだと思った。
爆睡したけど。
PR