例の厚生省幹部襲撃事件。
あの犯人が異常者だって事にどうこう言うつもりはない。
おかしいと私だって思う。
それは良い。
ただ、こういう事件になると必ず出てくるのが「犬猫と人間の命を秤にかける」発言だ。
正直、この手の発言は一切聞きたくない。
気分が悪い。
だけど必ず出て来るし聞いてしまうのだ。
嫌だなあ。
残忍な犯行で決して許されないと思うけど、それでも「『たかが犬猫』の事でここまで残忍な犯行に及ぶとは・・・」なんて言われると、家族の様に大事に飼っているペットを持つ身としてはデリカシーに欠けるな、と。
あのね。
正直な話、私が現在飼っている犬や、十数年共に暮らして亡くなった猫が事故や病気ではなく、理不尽な暴力を受けて残酷な最後を迎えてしまったら、私はもしかしたら同じ様な事をするかも知れないですよ？
家族だからね。
私の両親が酷い目に合って警察なんて何の役にも立たないとなったら、もしかしたらそうするかも知れないし、それが犬だろうが猫だろうが家族の一員なら私は絶対に許さない。
加害者が人間だからといって、それが一体何だと言うのか。
相手がただ人間だという程度の現実と私の家族が暴力を振るわれたという事実の間に、何も立ちはだかるものはない。
親しくもない相手の持つ「人間の尊厳」と私の家族の幸福と安全を天秤に掛けるつもりは毛頭ないね。
例えそれが犬猫でも。
まあ、極端な例なんだけど。
でも、そういう風にペットに愛情を傾けている人って結構多いと思うけどな。
そんな人達が実際に悲しい目に合っても何もしないのは、単に自制心の賜であって、人間の家族と分隔てている訳ではない。
この犯人の犯した罪を正当化する積もりはない。
そんな事を言っているのではなくて、したり顔で「犬畜生如きと人間様を比べるなど言語道断！」と発言するデリカシーの欠如した連中に、自分が何をほざいているのか今一度考えて貰いたい。
こういう人達って人種差別とか民族差別を平気でしそうだと私は思っている。
鯨の捕獲は可哀想でも野生馬を撃ち殺してドックフードにするのは平気な人達だと私は思っている。
動物は可哀想でも意志疎通の出来ない植物は搾取しても良いと思っている人達だと私は思っている。
反論があるのなら。
人間様と犬畜生発言を止めてくれ。
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